戸建て住宅の水道管水漏れをトレーサーガス調査で特定した事例
水道料金の急激な高騰は漏水のサイン
福岡県内の戸建て住宅にお住まいのお客様から、水道料金が異常に高くなったとのご相談をいただきました。水道局からも「漏水の疑いがあります」という通知がポストに投函されており、どこかで水漏れが発生していることは明らかでした。
自己点検では発見できなかった水漏れ箇所
お客様ご自身で徹底的に調査されました。蛇口やトイレなど目に見える設備をすべて確認し、床下収納から床下空間にも入って点検されましたが、水漏れ箇所を特定できませんでした。外周りも念入りにチェックされましたが、やはり原因は不明のままでした。
「これは専門家に依頼するしかない」と判断され、当社にご連絡をいただきました。
トレーサーガス調査法とは
お客様は当社のホームページをご覧になり、トレーサーガス調査による漏水調査をご希望されました。トレーサーガスは、水素と窒素の混合ガスを配管内に注入し、漏水箇所から漏れ出たガスを高感度検知器で探知する最新の調査方法です。
この方法には以下のメリットがあります。
- コンクリートや床下など目視できない場所の漏水も特定可能
- 非破壊で正確な箇所を特定できるため、無駄な解体工事を避けられる
- 調査時間が短く、精度が高い
今回の漏水調査費用は70,000円(税別)でお見積りし、ご了承いただきました。
漏水調査の実施プロセス
調査は体系的に進めました。まず外周りから開始し、外部配管や地中埋設管を入念にチェックしましたが、こちらには異常は見られませんでした。
次に家屋内部の調査に移ると、浴室周辺で強い反応が検出されました。トレーサーガスの検知器が明確に漏水を示していました。
お客様も床下に入って確認されたとのことでしたが、水漏れしていた箇所は基礎構造の奥にあり、通常のアクセスでは到達できない場所だったのです。
床開口による漏水箇所へのアクセス
正確な漏水箇所を特定した後、床材を開口して床下空間に入りました。すると、水道管が経年劣化によりサビて穴が開いている状態を発見しました。長年の使用により配管が腐食し、そこから水が漏れ続けていたのです。
この状態では水道料金が高騰するのも当然でした。発見が遅れていれば、建物の基礎や構造材への二次被害も懸念されました。
水道管交換工事の実施
老朽化した配管を撤去し、新しい配管に交換する工事を実施しました。適切な配管材を使用し、今後長期にわたって安心してご使用いただける施工を行いました。
工事完了後、水道メーターのパイロット(漏水検知用の小さな回転盤)を確認したところ、完全に停止していることを確認しました。これで漏水が完全に止まったことが証明されました。
トレーサーガス調査が効果的な理由
今回のケースでは、目視点検では絶対に発見できない場所での漏水でした。従来の調査方法では、広範囲の床を剥がして探す必要があり、時間とコストが大幅にかかっていたでしょう。
トレーサーガス調査により、正確な漏水箇所をピンポイントで特定できたため、必要最小限の開口で修理が完了しました。お客様にとっても経済的で、工期も短縮できる最善の方法でした。
水道料金高騰を感じたら早めの対応を
水道料金の異常な上昇は、見えない場所での漏水を示す重要なサインです。放置すると以下のリスクがあります。
- 水道料金の継続的な増加
- 建物基礎や床下構造材の腐食
- カビや湿気による衛生環境の悪化
- 地盤の緩みによる建物への影響
水道局からの通知や、心当たりのない水道料金の上昇があれば、早期に専門業者による調査をおすすめします。
まとめ
戸建て住宅での水道管漏水は、目視では発見できない床下や壁内で発生することが多くあります。今回の福岡県内の事例では、お客様ご自身で徹底的に調査されても発見できなかった漏水箇所を、トレーサーガス調査により正確に特定し、無駄な解体を避けて効率的に修理できました。
水道料金の異常な高騰や水道局からの漏水通知があった場合は、自己判断で放置せず、専門的な漏水調査の実施をご検討ください。早期発見・早期修理が、建物を守り、経済的負担を最小限に抑える最善の方法です。





























